公開: 2024年3月21日
更新: 2024年7月28日
世界的に資本主義が普及し、世界経済が発展し続けた20世紀は、産業化の時代と呼ばれています。それは、大量生産・大量消費と呼ばれた、市場経済を基本として、生活に必要な消費財(商品)を大企業が企画・開発し、巨大な工場を建設して、多数の工場労働者を集めて生産し、スーパーマーケットなどの巨大な販売チャネルを通して、大量に販売することを経済モデルとした時代でした。
この時代、社会で求められていた人材は、主として工場で働く、機械を操作して商品の部品などを生産したり、部品を組み合わせて、完成品を生産する人々でした。そのような人々を数多く養成するために、各国には、一定水準以上の知識を、数多くの子供たちに、効率よく教える、義務教育が求められていました。つまり、文字が読めない子供たち、簡単な計算ができない子供たちを、できる限り少なくすることが、義務教育の現場では、求められていました。日本の義務教育は、そのような意味では、成功しました。
20世紀の末から、労働の現場には、パーソナル・コンピュータとそれらを相互に結ぶインターネットが導入され、労働者の働く環境は、大きく変わりました。特に、労働者に求められる能力は、定型的な仕事をしっかりと繰り返すことができる能力から、新しい問題を発見し、その解決策を探す能力に変化しました。コンピュータやインターネットをうまく利用することで、そのような仕事を短時間でこなすことが可能になったからでした。
そのような傾向は、経済のグローバル化によって、どんどん加速され、労働者の間での競争も熾烈(しれつ)になっています。そのような21世紀の産業で求められる人材を育成するための義務教育制度や方法を早急に開発することが、現在、各国の政府には求められています。